2012年7月1日日曜日

メジャー移籍するのか。

もはや日本にライバルはいないと思わせるほど、別次元の投球を見せる日本ハム・ダルビッシュ有。昨年はシーズン終了直後の10月19日にアッと驚く”残留宣言”をしたが、今年もメジャー移籍の話題が新聞紙上をにぎわせ始めている。メジャー側でも「彼は別格」という評価は固まっており、アメリカの野球マニアの間でも移籍先が話題になるなど、日米両国でその動向は注目の的。ただ、実際にポスティングの入札金も含めた大量の資金を投入できる球団となると、候補はそう多くない。

「大本命はメジャー1の資金力を持ち、先発投手陣の若返りが急務のヤンキース。しかも、昨オフはサイ・ヤング賞左腕のクリフ・リー、今年7月にも 1 0 0マイル右腕のウバルド・ヒメネスと、ふたりの”大本命”の獲得に失敗しています。ダルビッシュの視察や調査もいち早く始めており、獲得への意欲は強いはず」(メジャーリーグ評論家・福島良一氏)

では、そのほかの候補は?

「対抗はレンジャーズ。建山義紀、上原浩治と日本人選手の獲得に熱心で、今年6月にはそれぞれヤンキースとレンジャーズの同地区のライバルであるレッドソックス、エンゼルスが挙がりますね。ただ、やはり総合的に見て一番資金をつぎ込む可能性が高いのはヤンキースでしょう」(福島氏)

次に気になるのは入札金額。2006年オフに松坂大輔がレッドソックス入りしたときは5111万ドル(当時のレートで約60億円)だったが…。

「今は日本人投手への過大評価も見直され、経済状況も最悪なので、獲得資金は合計8000万ドル(約61億円)前後を用意する必要があり、必然的に入札金は3000万ドル(約23億円)あたりが上限。25歳という年齢を考えると、球団は5年か6年の長期契約で総額5000万ドル(約38億円)程度に落ち着くのではないでしょうか」(福島氏)

円高の影響もあり、日本ハムにとってはやや寂しい数字か?ところで、実はもうひとつ気がかりな点がある。先日逮捕されたダルビッシュの弟をかつて自身のオフィスで雇用するなど、家族ぐるみで関係の深いメジャー代理人、団野村氏の存在だ。昨オフ、アスレチックスとの交渉が決裂してしまった楽天・岩隈久志の代理人を務めていたのが、この団氏。今回もまた入札球団との交渉が不調に終わってしまうようなことはないだろうか?

「そこは心配ないでしょう。団氏は”日本側の窓口”にすぎず、実際にメジャー球団との交渉にあたるのは、ダルビッシュの父・ファルサ氏とつき合いの長いアーン・テレム氏。ヤンキースのキャッシュマンGMと関係が深く、松井秀喜とも契約する屈指の辣腕代理人です」(スポーツ紙記者)

団・テレムのコンビは故・伊良部秀輝氏がヤンキース入りしたときと同じで、しかも当時、団氏のオフィスで働いていたアフターマン氏は今やヤンキースのGM補佐。やはり、ダルビッシュが伝統のピンストライプに袖を通す可能性はかなり高そうだ。

「どんでん返しがあるとすれば、またダルビッシュ側が『行かない』と言い出すケースです。これ以上の年俸を払えない日本ハムは"移籍ウエルカム"ですが、実はダルビッシュのグラウンド外のことについてはほとんど把握できておらず、昨年の残留宣言も球団関係者が一番驚いたほど(苦笑)。最適なビジネスチャンスを模索するファルサ氏が『時期ではない』と判断する可能性もゼロではないでしょう」(前出・スポーツ紙記者)今年も、オフまで”当確”が出ないままの報道合戦が続く?