ただ残念ながら、「現在の日本にチャンスが転がっている」と、状況に敏感な企業は、米国のGEやIBMだったりする。日本企業ではないのだ。彼らは非常に感度が高いので、東北の復興特区にコミットしてきている。GEは東北医療特区に関心を示しているし、IBMは東北のエネルギーにすごくコミットしている。日本企業はもっと行動を起こさなくてはならない。そして本当は最も真剣に攻めに転ずるべきは、電力会社そのものである。最もスマートな系統管理技術を持っているなら、それは世界中で売り物になる。省エネ技術もしかり。NTTのいまの企業価値、時価総額の大半は、伝統的な「もしもし固定電話」によるものではない。自由化分野でNTTなりに真剣勝負をして携帯電話のドコモの時価総額であり、インターネットサービス関連の収益である。
電力会社の人々も、いまは突然の大災害による原発停止問題と、急に吹き出した自由化の強烈な向かい風に、ひたすら当惑していることだろう。しかし起こってしまったことを、いまさらあれこれ言ってみてもしょうがない。そんなことより未来だ。いまこそ新しい世界に打って出るべく大改革、大ビジネスイノベーションに乗り出すべきときなのだ。そしてNTTドコモが一瞬手にしかけて実現できなかった夢、世界制覇の夢を、電力分野で日本のプレイヤーの誰か、新しい世代の誰かが、将来、実現しようではないか。日本の強みといえば、アニメーションやマンガなどのコンテンツを思い浮かべる人もいるかもしれない。だが、アニメやマンガだけではさすがに一国の経済は支えられない。市場規模が小さすぎるのだ。
通信やITはメジャーインダストリー、巨大産業だ。そして先に述べたような、これから日本が本格的に取り組んでいく医療・介護にしろ、エネルギーにしろ、万人が関わっていく、裾野が広い巨大産業だ。エネルギーは経済の基幹産業だし、国民の五人に一人が六五歳以上という超高齢社会の日本では、医療・介護も間違いなく巨大産業となっていく。もともと一国の経済を支えられる規模の産業は、それほど種類は多くない。自動車やエレクトロニクスはその力を持っているが、いま、そのあたりの産業に元気がない。だからこそ、この二大フィールドで日本は成長しなければならない。技術や機械などを売るのもそうだが、システムやノウハウなどのソフトをパッケージ化して、あとに続く国に売り込む。それが日本の生きる道だ。
これまで、ハードのつくり込みは得意でも、ソフトの売り込みは日本人の得意とするところではなかった。またハードでも、個別製品の品質には自信があっても、地域の特性に合わせたローカライズは苦手。インフラも、つくってしまったらそれでおしまいで、その後の運用は現地まかせ。だが、これからはそうも言っていられない。ここで発想の転換が必要だ。日本人が苦手なら、外国人に日本企業に入ってもらって、彼らにまかせればいい。企業活動がグローバル化しているのだから、いつまでも日本人だけで経営やビジネスをやろうとするのが間違っているのである。
三〇年ほど前までは、米国企業のGEやIBMでは、取締役会のメンバーは白人男性ばかりだった。しかし、現時点でのメンバーを見れば、違いは一目瞭然だ。人種も性別もバラバラで、IBMの新しいCEOはついに女性になった。グワーバル企業というのは本来、そういうものなのだ。かつては、米国企業でも幹部クラスは白人男性社会だった。米国には、国内に巨大市場があるから、それで十分通用した。ところが、グローバルにビジネスを展開している企業にとっては、米国内市場の比率は年々下がっていった。すると、企業内部も国際化していかないと対応できない。その結果、現在のグローバル企業では多種多様な人材が共存するようになった。
2015年1月15日木曜日
2014年12月12日金曜日
周辺住民も気軽にサービスエリアを利用できる
舞鶴若狭自動車道・西紀サービスエリア支配人の荻野順子さんは、天井のエアコンの吹き出し口の汚れを指摘された。「今まではライバルがいなくて、営業的にものんびりしていた。今は点数や順位が付けられるので、とても剌激になります」と話している。荻野さんは指摘された部分の改善だけでなく、「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」というような声かけトレーニングを店員に行うようになった。公団時代の体質を変えなければ生き残れないことが、現場にも浸透してきている。
ハイウェイーコンビニの秘策とは関西から九州・沖縄まで、総延長三二〇〇キロに及ぶ西日本高速道路の受け持ち区間には、通行量の少ない赤字路線が数多くある。その少ない利用客を上手に取り込むために、新規テナントの開発が進んでいた。例えば、九州自動車道の佐賀・基山パーキングエリア。ここには、ハイウェイピットと名付けられたハイウェイーコンビニがある。運営はローソンが行っている。二四時間体制なのはもちろんのこと、薬剤師を常駐させて眠気覚ましや酔い止め、目薬など自動車に乗る人たちを意識したドラッグコーナーが設けられていた。奥には、マッサージーチェアまである。このハイウェイーコンビニの最大の特徴は、店内にゆったりとしたカフェコーナーがあること。ここで、お客は買ったばかりの弁当などを食べられるのだ。
ハイウェイ・コンビニを開発したのは、西日本高速道路サービスHDの石崎直喜さん(三七歳)だ。民営化以前は、高速道路施設の設計を手掛けていたが、今やごこスターコンビニと呼ばれている。「市中のコンビニにはない飲食形態を持った店作りで、お客を増やしていきたい」と語っている。石崎さんは、徳島自動車道の徳島・吉野川サービスエリアに新しいハイウェイーコンビニを開こうと計画していた。公団時代にいわゆるファミリー企業が運営していたテナントは全部取り止め、ハイウェイ・コンビニを作ろうというのである。もちろん、カフェコーナーを併設した二四時間営業の店だ。「ここは面積的にも、通常のコンビニの倍近い広さがとれます。お客さまに満足して頂ける品揃えができると思います」と自信を見せた。
ところが、この吉野川サービスエリアには、すぐ近くに強力なライバルが立ちはだかっていた。吉野川ハイウェイオアシスである。隣接する土地に建設されたこの施設には、巨大なお土産物コーナーが設置されている。高知、愛媛、徳島、香川と四国四県の名産品二五〇〇アイテムが、所狭しと並べられていた。ここの責任者である吉野川ハイウェイオアシスの真鍋勝明さんは「競合するジュースやおにぎり、弁当はコンビニの方が強いでしょうが、それは微々たるもの。うちは、お土産が専門ですから」と、動じる様子はなかった。
それに対して、石崎さんは、不敵な笑みを浮かべた。「がっぷり四つで戦いますよ。うちは普通のコンビニじやないですから。反則みたいなコンビニなんで」石崎さんは吉野川サービスエリアのコンビニに、店舗の四分の一の面積を割いて、お土産を置くことにしたのである。厳選した品揃えの土産品で、吉野川ハイウェイオアシスに挑もうというのだ。さらに、石崎さんには秘策があった。吉野川サービスエリアは、一日片側三〇〇〇台しか通行量がない厳しい路線にある。しかし、その裏側には、広大な住宅地が広がっていた。人口一万六〇〇〇人の東みよし町の住民を、ハイウェイーコンビニに取り込もうと考えたのだ。これが可能なのも、民営化による規制緩和で、周辺住民も気軽にサービスエリアを利用できることになったためである。
ハイウェイーコンビニの秘策とは関西から九州・沖縄まで、総延長三二〇〇キロに及ぶ西日本高速道路の受け持ち区間には、通行量の少ない赤字路線が数多くある。その少ない利用客を上手に取り込むために、新規テナントの開発が進んでいた。例えば、九州自動車道の佐賀・基山パーキングエリア。ここには、ハイウェイピットと名付けられたハイウェイーコンビニがある。運営はローソンが行っている。二四時間体制なのはもちろんのこと、薬剤師を常駐させて眠気覚ましや酔い止め、目薬など自動車に乗る人たちを意識したドラッグコーナーが設けられていた。奥には、マッサージーチェアまである。このハイウェイーコンビニの最大の特徴は、店内にゆったりとしたカフェコーナーがあること。ここで、お客は買ったばかりの弁当などを食べられるのだ。
ハイウェイ・コンビニを開発したのは、西日本高速道路サービスHDの石崎直喜さん(三七歳)だ。民営化以前は、高速道路施設の設計を手掛けていたが、今やごこスターコンビニと呼ばれている。「市中のコンビニにはない飲食形態を持った店作りで、お客を増やしていきたい」と語っている。石崎さんは、徳島自動車道の徳島・吉野川サービスエリアに新しいハイウェイーコンビニを開こうと計画していた。公団時代にいわゆるファミリー企業が運営していたテナントは全部取り止め、ハイウェイ・コンビニを作ろうというのである。もちろん、カフェコーナーを併設した二四時間営業の店だ。「ここは面積的にも、通常のコンビニの倍近い広さがとれます。お客さまに満足して頂ける品揃えができると思います」と自信を見せた。
ところが、この吉野川サービスエリアには、すぐ近くに強力なライバルが立ちはだかっていた。吉野川ハイウェイオアシスである。隣接する土地に建設されたこの施設には、巨大なお土産物コーナーが設置されている。高知、愛媛、徳島、香川と四国四県の名産品二五〇〇アイテムが、所狭しと並べられていた。ここの責任者である吉野川ハイウェイオアシスの真鍋勝明さんは「競合するジュースやおにぎり、弁当はコンビニの方が強いでしょうが、それは微々たるもの。うちは、お土産が専門ですから」と、動じる様子はなかった。
それに対して、石崎さんは、不敵な笑みを浮かべた。「がっぷり四つで戦いますよ。うちは普通のコンビニじやないですから。反則みたいなコンビニなんで」石崎さんは吉野川サービスエリアのコンビニに、店舗の四分の一の面積を割いて、お土産を置くことにしたのである。厳選した品揃えの土産品で、吉野川ハイウェイオアシスに挑もうというのだ。さらに、石崎さんには秘策があった。吉野川サービスエリアは、一日片側三〇〇〇台しか通行量がない厳しい路線にある。しかし、その裏側には、広大な住宅地が広がっていた。人口一万六〇〇〇人の東みよし町の住民を、ハイウェイーコンビニに取り込もうと考えたのだ。これが可能なのも、民営化による規制緩和で、周辺住民も気軽にサービスエリアを利用できることになったためである。
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